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最近、合理的・論理的な考え方だけでは、なんだか物足りない、面白くないなと感じていた時期がありました。そんな時にタイトルに惹かれて手に取ったのが、山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』でした。
あらすじ
グローバル企業が幹部候補を著名なアートスクールに送り込んでいる背景には、複雑で不安定な世界において「分析」「論理」「理性」に軸足を置いた”サイエンス重視の意思決定”だけでは、ビジネスの舵取りができないという問題意識があります。
ここでいう「美意識」とは、デザインや広告といったクリエイティブの領域にとどまらず、経営戦略や行動規範、ビジョンなど、企業活動の「よい」「悪い」を判断する認識基準のこと。数字や論理だけでは説明できないものを判断する力として位置づけられています。全7章立てで、論理的思考の限界から、実際にどう美意識を鍛えるかまでを解説する構成になっています。
口コミ・評判
読者レビューを見ていくと、共通して挙がるポイントがいくつかありました。
- 分析的スキルだけでは複雑な問題に対応しきれず、「正解」がコモディティ化して差別化を失う、という指摘への共感の声
- 消費者や従業員のニーズが、機能的価値から情緒的価値へシフトしているという時代認識への評価
- 技術の進化に法整備が追いつかない状況で、倫理的な判断力が問われるという指摘の現実味
- 「真・善・美」という判断基準が、抽象的でありながら実際の経営判断に応用できるフレームワークとして機能している点
実際に読んでみて
サイエンス・クラフト・アートという3つの軸で考えたとき、ビジネスの現場ではどうしてもアートの立場が弱くなりがちだという話が印象的でした。ただ、法整備がされていないグレーゾーンを攻めても、結局は後から法律が追いついてくるし、クラフト(職人的な技術)も簡単に追いつかれてしまう。だからこそアートが効いてくる、という論の運びに納得させられました。
特に良かったのが、AppleやP&Gの例え話です。Appleに似た製品は簡単に模倣して作れても、その思想や所有欲、会社が大切にしているストーリーまでは真似できません。P&Gも同じで、時代が変わっても「お客様→会社→株主」という優先順位を変えないという話が印象に残りました。クラフト型のコンサルは量産できないから、サイエンス型のコンサルが生まれた、というくだりも興味深かったです。
「エリート」という言葉には、正直今でも少し違和感があります。それでも、感性や感覚を信じて生きたいとずっと思っていた自分にとって、この本は少し前を明るくしてくれるものでした。仕事の中で「論理的には正しいけれど、やりたくない」と思う瞬間があります。そういう時こそ、アートや倫理観のようなものを大切にしたい。それは結局、自分を信じることになるんだなと思えました。読み終えて、アートをちゃんと学んでみようと思っています。
こんな人におすすめ
- 論理的・合理的な考え方に、少し物足りなさを感じている人
- 「正しさ」だけでは割り切れない仕事の判断に悩んだことがある人
- 自分の感性や感覚をもっと信じて生きたいと思っている人
まとめ
累計28万部を超えるロングセラーというのも納得の、読み応えのある1冊でした。論理や分析だけで突き進むことに、少しでも違和感を覚えたことがある人には、特に刺さる本だと思います。

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働き方や生き方の軸について考えた記事は、こちらにも書いています。
この記事を書いた人:らっこ🦦(プロフィールはこちら)

